「あなたの強みは何ですか」と聞かれて、すぐに答えられる人はそれほど多くありません。弱点なら3つでも5つでも挙げられるのに、強みとなると急に言葉に詰まる。これは謙遜のせいだけではなく、強みは自分にとって当たり前すぎて見えにくいからです。
ポジティブ心理学では、Peterson と Seligman が世界のさまざまな文化・宗教・思想に共通して称賛されてきた性質を整理し、VIA 強み分類としてまとめました。この診断はその考え方を参考に、日常で使いやすい8つのクラスターに再構成しています。
この分野でくり返し強調されてきたのは、強みは持っているかどうかより、使えているかどうかが重要だという点です。同じ強みを持っていても、それを発揮できる場面が生活のなかにあるかどうかで、手ごたえはまったく変わります。そしてもうひとつ、強みには使いすぎがあるという視点も大切です。長所は度を越すと、そのまま短所として働きます。
🔬 この診断の位置づけ
複数の心理学研究・理論を参考に、本サイトが独自に構成したセルフチェックです。学術的な標準化はされていません。Peterson と Seligman による VIA 強み分類の考え方を参考に、8つのクラスターとして人生心理ラボが独自に再構成したセルフチェックです。VIA-IS などの標準化された調査票そのものではありません。
この診断でわかること ― 8つのものさし
この診断は次の8つのものさしでできています。それぞれが何を測っているのか、高く出たとき・低く出たときに何が起きやすいのかを解説します。どのものさしにも「高いほうが良い」はありません。活きる場面と、気をつけたい場面があるだけです。
1探究・学びCuriosity & Learning
知らないことを面白がり、学び続ける力です。新しい情報や視点に触れると気持ちが動き、調べる・試すという行動につながります。仕事でも生活でも、状況を理解する場面で発揮されます。
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探究・学びは、知らないことに出会ったときに不快ではなく面白いと感じ、調べる・試す・人に聞くという行動が自然に出てくる力です。知識の量そのものより、わからない状態に耐えて近づいていける姿勢を指します。読書や勉強に限らず、初めての店で店員に尋ねる、機械の設定を自分でいじってみるといった小さな行動にも同じ働きが現れています。
仕事では、前例のない案件や状況が読めない場面で力を発揮します。人間関係では、相手の背景に関心が向くので質問が自然に出て、話が広がりやすくなります。学びの場面では、点数のためではなく面白いから続くので、長い目で見て知識の厚みが積み上がります。ただし分かれ目になるのは、持っているかどうかより、使う機会が生活のなかにあるかどうかです。
Peterson と Seligman の VIA 強み分類では、好奇心や向学心は知恵と知識に関わる領域に置かれています。この診断ではそれらをまとめて探究・学びという1つのクラスターとして扱いました。VIA-IS などの標準化された調査票そのものではないため、数値を厳密な測定値としてではなく、自分の傾向に名前をつける手がかりとして受け取ってください。
▲ 高めに出たとき
活きる場面未知の状況でも自分で調べて前に進めます。理解が早く、専門外の話題にも入っていけるので、変化が大きく答えの決まっていない場面ほど価値が出やすい強みです。
気をつけたい点使いすぎると、調べる段階が長引いて決断が遅れたり、興味が次々に移って始めたことが終わらなくなったりします。詳しくない相手への説明が急ぎ足になることもあります。
▼ 低めに出たとき
活きる場面確立されたやり方を安定して回せます。情報を集めすぎずに決められるので判断が速く、周囲からは安心して任せられる存在になります。新しさではなく確かさで十分に貢献できます。
気をつけたい点気をつけたいのは、慣れたやり方が古くなっても気づきにくいことです。新しい情報を教えてくれる人を1人思い浮かべておけば、好奇心を増やさなくても十分に補えます。
✅ このものさしを活かすには
- 週に1回だけ、いつもと違う棚の本や記事を5分のぞく時間を決めておくと、無理なく情報が新しくなります。
- 学んだことをその日のうちに誰か1人へ3分で話してみます。人に渡した知識だけが、使える形で残ります。
- 調べる時間の上限を先に決めて、その時間が来たら暫定でよいので結論を出す練習をしてみてください。
- 会議や雑談で、意見を言う前に質問を1つ出す役を引き受けると、探究が人との関係のなかで活きてきます。
よくある誤解探究が高い人は勉強好きで学歴も高いと誤解されがちですが、実際には人に聞く、試してみるという形でも現れます。机の上だけの力ではありません。
2創造・発想Creativity
既存のやり方にとらわれず、新しい組み合わせや別の道筋を思いつく力です。芸術に限らず、日常の困りごとに対する工夫や、仕事の段取りの見直しにも現れます。
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創造・発想は、決まったやり方をそのまま受け取らず、別の組み合わせや回り道を思いつく力です。芸術的な才能に限った話ではなく、書類の順番を入れ替える、家事の動線を変えるといった日常の小さな作り直しにも同じ働きが出ています。ゼロから生む力というより、すでにあるものをつなぎ直す力に近いものです。
仕事では、うまくいかない案件や前提が崩れた場面で別の道を示せます。人間関係では、相手が煮詰まっているときに視点を変える一言を出せます。学びでは、そのまま覚えるより自分の言葉に言い換えるほうが定着します。ただしアイデアは出す場がなければ眠ったままです。持っているかより、出す機会があるかを見てください。
VIA 強み分類では創造性は知恵と知識に関わる領域に含まれ、Linley らの強み研究でも、強みは使える場面があるときに満足感と結びつきやすいと論じられてきました。この診断の創造・発想はそうした考え方を参考にした独自のまとめであり、才能テストでも適性検査でもありません。時期や役割によって現れ方は変わります。
▲ 高めに出たとき
活きる場面行き詰まった場面で別の道を示せます。前提が崩れても代案を出せるので、変化の多い環境や、答えが決まっていない問いに向き合う仕事で頼りにされる強みです。
気をつけたい点使いすぎると、うまくいっている方法まで新しさを求めて作り替えてしまい、周囲が振り回されます。案は次々に出るのに実行が最後まで続かなくなることもあります。
▼ 低めに出たとき
活きる場面良い型を見つけて丁寧に磨けます。手順を守れるので品質が安定し、引き継ぎや人に教える場面でも信頼されます。ゼロから考えなくても、良いやり方を選ぶ目があれば成果は出ます。
気をつけたい点前提が変わった場面で手が止まりやすいことです。行き詰まったら他のやり方はありますかと誰かに聞くだけで、自分で発想しなくても選択肢はきちんと増えていきます。
✅ このものさしを活かすには
- 案を出す時間と、選んで実行する時間を予定表のうえで分けておくと、どちらの質も上がっていきます。
- 思いついたことを判断せずに10個書き出し、翌日になってから1つだけ選ぶというやり方を試します。
- いつもの作業を1か所だけ変えてみて、その効果を1週間かけて確かめる小さな実験を続けてみます。
- 分野の違う人に自分の困りごとを話し、返ってきた反応をそのまま材料として受け取ってみてください。
よくある誤解創造性は生まれつきのひらめきだと思われがちですが、実際はすでにある要素をつなぎ直す作業に支えられています。材料が増えるほど出やすくなります。
3誠実・責任Integrity & Responsibility
言ったことを守り、見ていない人がいなくても手を抜かない姿勢です。約束・締め切り・仕事の質に対する自分なりの基準を持ち、それを一貫して保とうとする力を指します。
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誠実・責任は、言ったことを守り、見ている人がいなくても手を抜かない姿勢です。約束・締め切り・仕事の質について自分なりの基準を持ち、場面が変わってもそれを保とうとする力を指します。派手さはありませんが、時間をかけて信頼という形で積み上がっていく種類の強みです。
仕事では、任された範囲を最後まで持ちこたえる形で現れます。人間関係では、返事を返す、覚えていると伝えるといった小さな一貫性が安心につながります。学びでは、地味な基礎を飛ばさない姿勢に出ます。ただし基準を持っていることと、それが人に伝わっていることは別です。使えている場面を探してみてください。
VIA 強み分類では誠実さは勇気に関わる領域に、責任感や忠実さは正義や節度に関わる領域に置かれています。この診断ではそれらを実生活で扱いやすい1つのクラスターにまとめました。標準化された尺度ではないので、採用選考や人事評価の材料には使わず、自己理解の手がかりとしてお使いください。
▲ 高めに出たとき
活きる場面任せて安心だと思われます。細部まで手を抜かないので品質が安定し、付き合いが長くなるほど評価が上がっていくタイプの信頼を得やすい強みです。
気をつけたい点使いすぎると融通のきかなさに変わります。自分にも周囲にも同じ基準を求めて息苦しくなり、断れずに抱え込んで消耗してしまうことも起こりやすくなります。
▼ 低めに出たとき
活きる場面状況に応じて柔軟に動け、自分を追い込みすぎません。完璧を求めないぶん着手が速く、走りながら直していくやり方が向いている仕事では大きな武器になります。
気をつけたい点小さな約束を忘れて信頼を削りやすい点です。意志で頑張るより、引き受けた場でメモや通知に落とす仕組みを持てば、性格を変えなくても十分に補えます。
✅ このものさしを活かすには
- 引き受けたその場で、期限と分量を相手と言葉にして確認しておくと、あとの無理がかなり減ります。
- 80%の精度でよい仕事をあらかじめ決めておき、そこには時間をかけないと自分に許可を出します。
- 週に1度、いま抱えている約束を書き出して、返せるものだけ先に返す時間をつくっておきます。
- 断るときの言い方を1つ用意しておき、迷ったらそれをそのまま使うと先に決めておいてください。
よくある誤解誠実さは我慢強さと同じだと思われがちですが、本質は一貫していることです。無理を引き受け続けることではなく、守れる約束を選ぶ力も含まれます。
4勇気・挑戦Courage
怖さがあっても、必要だと思ったことに踏み出す力です。恐れを感じないことではなく、恐れを抱えたまま動けることを指します。発言・挑戦・立場の表明といった場面に現れます。
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勇気・挑戦は、怖さを感じないことではなく、怖さを抱えたまま必要な一歩を出せる力です。大きな決断だけを指すのではありません。会議で違う意見を口にする、自分の間違いを認める、苦手な相手に自分から声をかけるといった日常の小さな場面にも、同じ働きが現れています。
仕事では、誰も口にしない問題を最初に言葉にする形で出ます。人間関係では、言いにくいことを伝えたうえで関係を続けようとする姿勢に現れます。学びでは、できない状態を人に見せられるかどうかが伸びを左右します。持っている勇気も、出す場面がなければ育ちません。機会の側を整えることが近道です。
VIA 強み分類では勇敢さや忍耐は勇気に関わる領域に置かれ、恐れの有無ではなく行動によって定義されてきました。この診断の勇気・挑戦もその考え方を参考にしています。ただし独自の再構成であり、リスク許容度を測る検査ではありません。同じ人でも、場面や体調によって出方は変わります。
▲ 高めに出たとき
活きる場面誰も動かない場面で最初の一歩を出せます。言いにくいことを口にできるので、問題が小さいうちに表に出て、周囲にとっては流れを変えてくれる存在になります。
気をつけたい点使いすぎると無謀さや強引さに変わります。周囲の準備が整う前に進めてしまい、本人は前進のつもりでも、周りは置いていかれたと感じることがあります。
▼ 低めに出たとき
活きる場面リスクを見きわめ、危ない場面で立ち止まれます。慎重さは損失を防ぐ確かな強みで、勢いのある人と組んだときには歯止め役として大きな価値を持ちます。
気をつけたい点機会を逃しやすいことです。大きな挑戦を目標にせず、失敗しても取り返せる範囲の一歩を選べば、性格を変えなくても動ける幅は少しずつ広がります。
✅ このものさしを活かすには
- 迷ったときは、やらなかった場合の後悔の大きさを基準にして決めると、判断がずいぶん軽くなります。
- 失敗しても取り返せる範囲の小さな挑戦を、月に1つだけ予定に入れて練習の機会をつくっておきます。
- 会議で最初に発言する役を、意識して1回だけ引き受けてみると、勇気を使う場面が自然に生まれます。
- 言いにくいことは、伝える相手と最初の一文を先に決めてから話すと、ぐっと踏み出しやすくなります。
よくある誤解勇気は生まれつきの度胸だと誤解されがちですが、実際には行動の練習量で変わります。怖くなくなるのではなく、怖いまま動ける幅が広がっていくものです。
5思いやり・共感Kindness & Empathy
相手の気持ちを察し、自分の得にならなくても手を差し伸べられる力です。人の変化に気づきやすく、場の安心感をつくる働きをします。家庭でも職場でも土台になる強みです。
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思いやり・共感は、相手の気持ちを察し、自分の得にならない場面でも手を差し伸べられる力です。優しい性格という意味だけでなく、人の表情や声の変化に気づく感度と、気づいたことを行動に移すところまでを含みます。家庭でも職場でも、その場の安心感をつくる土台になる働きをします。
仕事では、困っている人に先に声をかける、空気が固いときに和らげるという形で現れます。人間関係では、相手が何を必要としているかを推し量れます。学びでは、人と一緒に取り組む場面で力が出ます。ただし気づく力があっても、余力がなければ使えません。持っているかより、使える状態かを見てください。
VIA 強み分類では親切心や社会的知性は人間性に関わる領域に置かれています。この診断の思いやり・共感は、それらを参考にまとめた独自のクラスターです。相手の感情を読む力は場面や関係によって発揮の度合いが変わるため、固定的な性格ラベルとしてではなく、いまの傾向として受け取ってください。
▲ 高めに出たとき
活きる場面人の変化に早く気づき、周囲に安心をもたらします。相談が集まりやすく、場の緊張がほぐれるので、長く続く関係をつくるうえで大きな資源になる強みです。
気をつけたい点使いすぎると自己犠牲になります。相手の感情まで引き受けて消耗し、断れずに予定が埋まり、気づいたときには自分の希望がどこにも残っていないことがあります。
▼ 低めに出たとき
活きる場面感情に巻き込まれず、事実に基づいて判断できます。厳しい決定や利害の調整が必要な場面で冷静さが効き、筋の通った対応は結果として相手のためになります。
気をつけたい点気持ちの面が抜けて冷たく受け取られやすいことです。結論の前にひと言、いまどんな状況ですかと尋ねるだけで、感情を読まなくても伝わり方は変わります。
✅ このものさしを活かすには
- 助ける前に、自分の余力がいま何割あるかを確認する習慣をつけると、思いやりが長く続きます。
- 相手が助けてほしいのか、聞いてほしいだけなのかを先に尋ねると、支援の精度が上がります。
- 気づかいを心のなかで終わらせず、短い言葉にして相手に渡すところまでをひと組にしておきます。
- 引き受けない日をあらかじめ決めて予定表に空白を残し、その日は誰の用事も入れずにおきます。
よくある誤解思いやりは相手に合わせ続けることだと誤解されがちですが、自分が保てる範囲で続くことが条件です。断ることも、この強みを長持ちさせる使い方です。
6協調・チームTeamwork
自分の役割を果たしながら、全体がうまく回るように動ける力です。目立つ働きだけでなく、抜けている仕事を引き受ける、場をつなぐといった形でも発揮されます。
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協調・チームは、自分の役割を果たしながら、全体がうまく回るように動ける力です。会議で発言する、まとめ役をするといった目立つ形だけでなく、誰も拾っていない仕事を静かに引き受ける、人と人をつなぐ、その場にいない人の立場を代弁するといった見えにくい形でも発揮されます。
仕事では、情報を共有し、抜けを埋め、摩擦を減らす動きに現れます。人間関係では、全体の空気を読みながら自分の役割を選べます。学びでは、人と教え合う形が向いています。ただしチームの一員であることと、貢献が伝わっていることは別です。使えているかどうかを確かめてみてください。
VIA 強み分類ではチームワークや公平さは正義に関わる領域に置かれています。この診断ではそれらをまとめて1つのクラスターとしました。所属する集団の文化によって同じ人でも協調の出方は大きく変わるため、個人の固定的な性質ではなく、いまの環境との組み合わせとして読むことをおすすめします。
▲ 高めに出たとき
活きる場面場をまとめ、こぼれた仕事を拾えます。全体の流れが見えるので、誰かが困る前に手が回り、組織にとっては欠かせない支えになりやすい強みです。
気をつけたい点使いすぎると自分が消えます。全体を優先して希望を後回しにし、反対意見を飲み込むうちに、本当は違うと思っていたことが誰にも伝わらなくなります。
▼ 低めに出たとき
活きる場面ひとりで完結させる集中力と、周囲に流されない判断力があります。個人作業や専門性を深める仕事では、この独立性がそのまま成果につながっていきます。
気をつけたい点情報が共有されず、周囲が状況をつかめなくなることです。進捗を短く伝える回数を先に決めておけば、性格を変えなくても摩擦はかなり減らせます。
✅ このものさしを活かすには
- 自分がいま担っている役割をひと言で言えるように書き出し、必要な場面で口に出してみます。
- 進捗を三行で伝えるタイミングを週のなかに1回だけ置いておくと、共有の負担が軽くなります。
- 会議で、まだ発言していない人に話をふる役を引き受けると、協調が具体的な行動になります。
- 全体の意見を集めたあと、自分の意見も情報の1つとして必ず出すところまでを習慣にします。
よくある誤解協調は自分を抑えて周りに合わせることだと誤解されがちですが、本質は全体の成果のために動くことです。必要な場面で異を唱えるのも協調の一部です。
7自制・忍耐Self-Control
気分に流されず、決めたことを続ける力です。誘惑を我慢するだけでなく、感情が高ぶった場面で一拍おける、地道な作業を投げ出さないといった形でも現れます。
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自制・忍耐は、気分に流されず、決めたことを続ける力です。誘惑を我慢する場面だけでなく、感情が高ぶったときに一拍おける、成果が見えない時期でも地道な作業を投げ出さないといった形でも現れます。強い意志というより、続けられる仕組みを保てる力に近いものと考えてください。
仕事では、締め切りまでの長い時間を配分する場面で効きます。人間関係では、言い返したくなったときに間を置ける形で現れます。学びでは、伸びが見えない停滞期を越えられるかどうかを左右します。ただし自制は残量のある資源で、疲れているときには誰でも下がります。持っているのに使えない日もあります。
VIA 強み分類では自己制御や忍耐は節度に関わる領域に置かれています。この診断ではそれらをまとめました。自制は環境の影響を強く受けることが知られているため、意志の強さという人格の評価ではなく、いまの生活の負荷も含めた状態として読むほうが役に立ちます。
▲ 高めに出たとき
活きる場面決めたことを成果が出るまで続けられます。感情に振り回されにくいので、長い時間がかかる仕事や、静かな積み重ねが必要な場面で力を発揮する強みです。
気をつけたい点使いすぎると楽しめなさに変わります。休むべき場面でも止まれず、遊びや脱線を無駄と感じ、周囲の緩さにいらだつようになってしまうことがあります。
▼ 低めに出たとき
活きる場面その場の状況に素早く反応でき、自分を縛りすぎません。切り替えが速いので、変化の多い環境や瞬発力が求められる場面では、この軽さが有利に働きます。
気をつけたい点続けたいことが途切れやすい点です。意志で頑張るより環境を先に整えるほうが確実で、道具を目の前に置くといった工夫だけでも行動は変わっていきます。
✅ このものさしを活かすには
- 続けたい行動を1つに絞り、すでにある習慣の直後にくっつけると、労力をかけずに定着します。
- あえて休む予定を先に入れて、その時間には仕事を持ち込まないと決めておいてください。
- 意志に頼らず、始めるまでの手数を1つ減らす環境をつくると、自制を使わずに続けられます。
- 感情が動いたときに、返事の前へ一拍おくための合図をあらかじめ決めておくと役に立ちます。
よくある誤解自制は生まれ持った意志の強さだと思われがちですが、環境の整え方で大きく変わる部分があります。誘惑を遠ざける工夫も、立派な自制の使い方です。
8感謝・希望Gratitude & Hope
すでにあるものに気づき、この先にも良いことがあると思える力です。楽観と違い、根拠なく信じることではなく、道筋を思い描ける感覚を含みます。回復のときに効いてきます。
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感謝・希望は、すでにあるものに気づく力と、この先にも良いことがあると思える力をまとめたものです。根拠なく明るく考えることではなく、いまの状況から先へつながる道筋を思い描ける感覚を含みます。うまくいっているときよりも、うまくいかない時期にこそ効いてくる強みです。
仕事では、失敗のあとに立て直しの手順を考えられる形で現れます。人間関係では、してもらったことを覚えていて言葉にできる形で出ます。学びでは、伸びが見えない時期を越える支えになります。感謝は感じているだけでは伝わらず、渡してはじめて働くという点も、使えているかを見る目安になります。
VIA 強み分類では感謝と希望はともに超越性に関わる領域に置かれ、Seligman らのポジティブ心理学でくり返し扱われてきたテーマです。この診断ではその2つを近い働きとして1つにまとめています。独自の再構成であり、気分の落ち込みや不調を判定するためのものではありません。
▲ 高めに出たとき
活きる場面先の見通しを持て、周囲を明るくします。うまくいかない出来事のあとでも次の手を考えられるので、停滞している時期にもっとも役立ちやすい資源になります。
気をつけたい点使いすぎると、つらさを認められなくなります。前向きでいようとして弱音を口に出せず、周囲もあなたの前では悩みを打ち明けにくくなることがあります。
▼ 低めに出たとき
活きる場面問題やリスクに早く気づけます。楽観に流されないので見通しが現実的になり、備えが必要な場面や、危うい計画に待ったをかける役割で確かな価値を発揮します。
気をつけたい点良い出来事が記憶に残りにくい点です。無理に前向きになろうとせず、うまくいったことを1つ書き留めるだけでも、見え方は少しずつ変わっていきます。
✅ このものさしを活かすには
- 1日の終わりに、うまくいったことを1つだけ書き留めておくと、見え方が少しずつ変わります。
- 感謝を心のなかで終わらせず、その日のうちに短い言葉で相手に伝えるところまでを行います。
- うまくいかない出来事のあと、次にできる一手を1つだけ決めてから、その日を終えてみます。
- 半年後にこうなっていたい姿を一文で書き、目に入るところへ置いておいてみてください。
よくある誤解感謝や希望は性格の明るさだと誤解されがちですが、気づいて言葉にする習慣の側面が大きいものです。落ち込みやすい人でも練習で使えるようになります。
受け方のコツ
- 「こうありたい自分」ではなく、ここ数か月に実際にとっている行動を思い浮かべて答えてください。
- うまくいっている場面だけでなく、疲れているときの自分も含めて平均的に考えると精度が上がります。
- 深く考え込まず、5秒ほどで直感的に答えるほうが、ふだんの自分に近い結果になります。
- 「どちらともいえない」は使ってかまいませんが、多用すると差がつきにくくなります。迷ったらわずかでも近いほうを選んでください。
結果の読み方
8つの数値のうち、上位2〜3つがあなたの中心的な強みです。心理学では、こうした上位の強みをシグネチャー・ストレングス(その人らしい強み)と呼びます。使っていて疲れにくく、自然に出てしまい、うまくいったときに自分らしいと感じられるものです。
低い数値は「欠けているもの」ではありません。8つすべてを高くする必要はなく、むしろ現実的でもありません。低い領域は、自分で頑張るより、その強みを持つ人と組むほうが早く解決することが多いものです。強みは分業できます。
そしてもうひとつ、上位の強みほど使いすぎに注意してください。誠実さは行きすぎると融通のきかなさに、思いやりは行きすぎると自己犠牲に、勇気は行きすぎると無謀さになります。強みを見るときは、活きる場面と、行きすぎたときの姿を必ずセットで考えるとバランスが取れます。
よくある質問
強みが8つとも中くらいで、特徴が出ませんでした。
それも意味のある結果です。どの場面でもそこそこ対応できる、バランス型の人はたしかにいます。その場合は数値の絶対値ではなく、8つのなかでの順位を見てください。わずかでも上にあるものが、あなたが自然に使っている強みです。また、答えるときに「どちらともいえない」を多く選ぶと差が出にくくなるので、迷ったらわずかでも近いほうを選んで測り直してみてください。
低かった強みは、努力して伸ばすべきですか?
必ずしもそうではありません。強みは分業できます。低い領域は、自分ひとりで平均まで引き上げるより、その強みを持つ人と組むほうが早く、消耗も少なくてすみます。ただし、いまの役割上どうしても必要な領域であれば、少しだけ練習する価値はあります。その場合も得意な強みを使って苦手な領域に近づくやり方が現実的です。たとえば探究が高い人なら、協調をテーマに学ぶところから入るとうまくいきます。
強みの使いすぎとは、どういう状態ですか?
その強みが場面に合わない形で出てしまい、かえって不利に働く状態を指します。誠実さが行きすぎると融通のきかなさに、思いやりが行きすぎると自己犠牲に、勇気が行きすぎると無謀さに、自制が行きすぎると休めなさになります。強みそのものが悪いのではなく、量と場面のずれが問題です。うまくいかない出来事が続くときは、足りない強みを探す前に、使いすぎている強みがないかを確認してみてください。
この結果は自己紹介や面接に使えますか?
手がかりとしては使えます。ただし、そのまま「強みは探究です」と述べるより、その強みを使って実際に何をしたかを1つの具体的な出来事として語るほうが、はるかに伝わります。診断はあくまで自分の傾向に名前をつけるための道具です。名前がついたら、次は自分の経験のなかからその強みが表れた場面を探してみてください。それが本当の材料になります。
結果が前回と変わりました。強みは変化するのですか?
上位の強みは比較的安定していますが、環境や役割が変わると順位は動きます。責任の重い立場になれば誠実さや自制が高く出やすくなり、余裕がない時期には感謝や希望が下がりやすくなります。変動そのものが情報だと考えてください。数か月ごとに測り、順位の動きから、いま自分がどんな環境に置かれているのかを読み取るという使い方をおすすめします。
強みは生まれつき決まっているものですか?
生まれ持った傾向はありますが、それだけで決まるわけではありません。強みは使われた経験の積み重ねで形になっていきます。同じ性質を持っていても、それを発揮できる環境にいた人といなかった人では、現れ方がまったく違ってきます。ですから、この結果を生まれつきの才能表として読む必要はありません。いま自分がどの強みを使いやすい場所にいるのか、という現在地の記録として受け取るほうが役に立ちます。使う機会を増やせば、順位は動きます。
高い強みを伸ばすのと、低い強みを補うのは、どちらが先ですか?
迷ったときは高いほうを先にと考えて差し支えありません。すでに自然に出てしまう力を使える場面を増やすほうが負荷が小さく、手ごたえも早く返ってきます。低い領域は、平均まで引き上げるより、その強みを持つ人と組む、仕組みで補うといった方法のほうが現実的です。ただし、いまの役割上どうしても必要な領域があるなら、そこだけは少し練習する価値があります。その場合も、得意な強みを入り口にして近づくやり方が続きやすいです。
VIA 強み分類やストレングスファインダーとは違うものですか?
別のものです。この診断は Peterson と Seligman の VIA 強み分類の考え方を参考にした独自の再構成であり、VIA-IS のような標準化された調査票ではありません。ストレングスファインダーとも、開発の経緯も項目も異なります。共通しているのは、弱点を埋めるより強みを活かすほうが力を出しやすいという方向性だけです。正式な結果が必要な場合は、それぞれの公式な尺度をご利用ください。この診断は日常の自己理解のための入り口としてお使いいただくものです。
いまの仕事で強みをまったく使えていない気がします。
よくあるお悩みで、強みを持っていないことと、使えていないことは別です。仕事そのものを変えることを考える前に、いまの役割のなかで上位の強みを使える小さな場面を探してみてください。探究が高いなら調べ役を引き受ける、思いやりが高いなら新しく入った人のフォローに回る、といった形です。仕事を変えなくても、やり方や関わり方を自分で少し組み替えるだけで手ごたえは変わりやすいものです。それでも合わないと感じたときに、環境を見直せば十分です。
部下や子どもの強みは、どうやって見つければよいですか?
評価する目で探すと、かえって見つかりません。おすすめは、本人が楽しそうにしている場面と、疲れずに続けている行動を記録していくやり方です。上手にできていることより、自然にやってしまっていることのほうが強みの手がかりになります。見つけたら、上手だねとほめるのではなく、こういうときのあなたはこうだね、と観察をそのまま伝えてください。ラベルを貼るより、本人が自分で気づくきっかけを渡すほうが長く役立ちます。なお、この結果を人事評価や選考の材料に使うことは避けてください。
この診断をもっと深く理解する
ご利用にあたって
本診断は自己理解を目的としたもので、医学的な診断・治療・専門的アセスメントの代わりになるものではありません。
回答内容はあなたのブラウザ内だけで処理され、サーバーには送信・保存されません。
気分の落ち込みや不安が続くなど、生活に支障を感じる場合は医療機関や専門の相談窓口にご相談ください。